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医科系大学における重要な使命は、教育・診療・研究の三本柱です。
その視点から外科と気功の関わりを考えてみます。
現在、外科の臨床現場では、従来教育されてきた医学だけでは、残念ながら患者さんの要求に満足に対応できないことがよくあります。例えば、癌の終末期には、痛み、食欲不振、精神的動揺など、さまざまな症状が出てきます。新しい薬や器械などは飛躍的に発達し、かなり改善されてまいりましたが、これまでの治療には未だ限界があります。
そのような困った時に、お忙しい吉宮先生にベッドサイドまで出張願い、治療して頂いた機会が何度もありました。治療中そして治療後、患者さんに笑顔が戻り、食事まで再開したという経験もあります。正直に言ってびっくりしました。
臨床医として、ぜひこの治療法をとりいれて、なおかつ研究者として、この神秘的な作用機序を解明しようと思うのです。
我々の教室における外科学の教育は、まず「優れた臨床医を養成する事」を目標としています。優れた臨床医の条件とは、次の事柄に要約されます。
一人の人間として、
1. 患者の人生観、我が国の文化、社会の要請などを念頭に置き
2. 患者と暖かい人間関係を構築し患者の立場に立って診療を行う
3. 一方では、充分な医学的知識に基づいて疾病を解析し
4. 新しい視点から診断、治療する努力を怠らないこと
言葉を換えると、
1. 患者を病める者として優しく診る視点
2. 病的状態に対する冷静な自然科学的視点
を兼ね備えた医師が「優れた臨床医」と言えます。
また、外科学における教育のもうひとつの重要な目標として、優れた研究者を育てることを忘れてはなりません。
優れた研究者には、「独創的な作業仮説をたてる知性」「それを実証する能力」「真実の解明を素直に喜ぶ知的好奇心」などが求められます。こうした資質は、前述の医師として「疾患を科学的に分析する能力」とも直結しております。
このように、臨床医としても研究者として必要な「豊かな洞察力」「たゆまぬ向上心「高い倫理」「協調性」などの極めて重要な事柄を、日常の診療や研究活動を通じて、全人格的に伝えていくことが医学教育の基本であり、この基本をふまえてはじめて「知識と技術の教育」が可能となるからです。
我々の教室ではこのようなスタンスを基本として、多くの外科医が日常診療に従事しております。今後、サイエンス(科学)とアート(技術・倫理・心)の両立する医師を育てる意味に置いても、この気功治療法の仕組みを解明し、集的学治療の一つとして積極的に採用し、普遍性のある独創的な診療法として開発したいものです。
| 竹之下 誠一(たけのした せいいち) |
略歴
群馬大学医学部第1外科講師、助教授を歴任、米国国立がん研究所留学を経て、
1999年より福島県立医科大学第二外科教授
1998年 シーボルト メダル賞・受賞
専門は癌治療全般で(消化器全般、乳腺、甲状腺)、手術はもちろん遺伝子を臨床応用した最先端医療を展開している。
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