吉宮気功体操協會トップページ気功コラム集三瓶 啓二&吉宮 照詞
今、気になる症状
対談「今を生きる」三瓶哲二&吉宮照詞


●ご紹介

三瓶啓二氏は、全日本空手選手権3連覇、百人組み手を達成しています。
生き方について良く語り合える友人です。
 「空手」と「気功」、二人の世界は違っていても、「生命の気」を究極の「死」から考えて行くことでは共通しています。死があるから今を真剣に生きることができ、それが、充実したエネルギーとなり、自分の可能性を高めてくれる方法になります。
 三瓶氏は、常に「今の自分」に挑戦しています。今の自分を壊し、新しい自分を再生することで、可能性を見つけています。それは、気功においても同じです。
 自分で限界という壁を作らない限り、エネルギー(気)はいつも広がっています。
三瓶氏が自分に対する挑戦を続けることは、私が治療をすること、治り難い症状の患者が僅かな可能性を見つけようと努力すること、また実践的な健康法を目指すことは、人間の本質である「気」の追求だと考えます。どのような分野にも共通する、充実した「今を生きる」ことなのです。 

                 吉宮 照詞

三瓶:「生」と「死」というところからお話を伺いたいと思います。
私の考えている「生」とは、親から授かった命ではなく「自分がこの時代のこの時間に何故生きているのか?」ということです。そしていつしか死んで行くと考えたとき、「自分の生」に対する価値を知ります、それが、私が考える「生」です。そこには"生"という自分を作り上げるエネルギーが動きます。死に対する怖さはもの凄く大きなエネルギーです。それをプラスのエネルギー、つまり生きるパワーに変えられると考えます。
吉宮先生は治療師として多くの患者を診ていますが、そのエネルギーと「気」とは共通していますか?

吉宮:ええ、共通しますね。怖さから出てくるエネルギーも生命エネルギーの一部であり、気なのです。生死の瀬戸際にある末期患者には2つのタイプがあって、自分の力で生きようとする人と、医師や治療師に依存する人がいます。時には、自分で生きようという気持ちにより生命エネルギーが高まり、奇跡的に快方に向かう人がいます。患者の生と死の苦しみを前にして、自分の治療技術の限界を感じることがありますが、その中で、治療師としても自分への可能性を追求して行かなくてはなりません。そうでないと患者は苦しみ続けるのです。

三瓶:まさに「生と死の真剣勝負」ですね。

吉宮:私は、気(根元的生命エネルギー)を通して、健康指導や治療活動をしています。それは生命の追求であり、自分の追求でもあります。
もし死ぬにしても、楽に死んで貰いたいという気持ちで私自身、「生」に対する極限の中で治療することもあります。

三瓶:「死ぬ」というところから「生きる」価値を考えた時に、私は「今」しかないと思うんです。

吉宮:人は、過去や未来を非常に心配することで、症状が出たり病気になったりします。たくさんの治療を通して「今」に生きていない人が多いことに気がつきました。

三瓶:過去を考える時に大切なのは、反省と分析だと思うんですよ。「もし・・だったら」とか「ああしたからこうなった」とか。しかし現実は違うのだったら、今をどれだけ生かすことができるかが大切だと思います。

吉宮:そうですね。

三瓶:未来なんて無いんですよ。弟子達に「夢を持て」といつも言っているのと矛盾するのですが"今の連続が未来になる"ので、基本的には同じ発想なのです。
現在の教育が、「未来」ばかりで、「今」を教えていないように思えるのですが。例えば、親が自分の過去と照らし合わせて、子供には良い学校をとか、良い就職先をとか願いますが、それは、過去と未来で今を決めていて、実際に今何をしたいのか、どうやって自分をのばせるかを見ていませんよね。

吉宮:私も「今だ!」という発想、今置かれている状況で何が出来るかという姿勢が重要だと考えます。

三瓶:最終的には自分との戦いでしょう。自分がどれだけ伸びるかと言うことです。

吉宮:健康もそうなんです。病気や症状がある人はそれだけしか見ていない。病気になった原因が生活パターンの中にあり、今置かれている状況の中で何が出来るかを深く見られる人は少ないのです。だから、一つひとつの気功体操の動作を通して、そのことに気づかせたいと願い指導しています。

三瓶:病気の人もそうですが、健康な人でも当たり前だと思って、自分の健康に気がついていないことが多いですね。人は皆いつしか死んでしまいます。生きながら死ぬことを考えるのは大変ですが、大切なことだと思うんですよ。動物の中で死を意識するのは人間だけですよね。人間だけが持ちうる特権でもあるわけです。
私は最近寝るときに、「このまま目覚めないかもしれない、でもいいじゃないか、俺は一生懸命自分なりに頑張って生きてきたのだから」って思うことがあるんです。逆に目が覚めたらそこから新しい人生が始まる、目覚めた「今」を大切にしよう、そう考えられるようになりました。

吉宮:生きているってことは、本当に素敵なことだと思うんです。私は患者に対しても、それを言いたいのです。たとえ重病であっても何もできないとか終わりだとかじゃなくて、その中で考え、精一杯生きて欲しい、それが治療師として、私の最大のテーマです。

三瓶:人間は弱いんですよね。でもその弱さを乗り越えて行く所に、人生の面白さや素晴らしさがあると思いますね。