吉宮気功体操協會トップページ気功コラム集関口 善太
今、気になる症状
中医学(東洋医学)から見た予防医学



 一般に医療現場における健康観は、「健康優良児」をイメージするものではありません。「健康」は「病気」と対比される言葉で、「単純に病気でないこと」を健康としています。また近年では「QOL」(生活の質)の向上、つまりたとえ慢性疾患を抱えていても、生活に支障ない程度の身体状況を維持できること、が医療の目指す治療目標となってきています。

健康 = 病気でないこと ≒ 「QOL」を一般生活レベルに向上する

では私たちはどのように予防医学を考え、どう取り組んだらよいのでしょうか。
自然の医学である中医学は、日常生活の中に発病のメカニズムを見出していますので、これを学ぶと、個人個人が積極的な病気の予防ができるようになっています。


〔発病の原因〕
中医学では、正気(邪気に対抗する気)と邪気が闘争して、邪気が正気に勝ると発病すると考ます。
さらに病を、実証と虚証とに区別して対処し、これを発病要因と結びつけると、つぎのようになります(表1参照)。
発病要因には、環境面(暑さ寒さなど)、飲食面(飲酒過度・偏食・拒食など)、精神面(ストレス・精神の疲労など)、肉体面(肉体疲労・老化・先天的虚弱など)の4つがあり、これらはさらに人体を傷害する要因(邪気の要因)と、抵抗力を消耗させる要因(正気不足の要因)とに分けられます(表2参照)。

〔実証〕
人体を傷害する側の要因が、一般状況を上回ると邪気として作用します。こうした邪気が中心となって起こる病を、実証といいます。

〔治療と予防〕
人の正気の量には上限があり、鍛えても100%以上には補充できません。その
ため強力な邪気があると、たとえ健康な人でも発 病してしまいます。そこで実証に対しては、過剰な邪気の要因を取り除く治療を行い、邪気の要因を回避するような予防を行います。

<表1>
邪正の関係
正気<邪気=発病
実証
実証
○正気=消耗がなく、正常に近い状態
○邪気=人体を傷害しない程度に軽い
◎=邪気の素因が強力
△=正気の消耗が激しい


<表2>
  発病素因(病因)
正気不足の要因 邪気の要因
自然環境面
-----
天候・気候の過度の変化
飲食面 拒食
過食、偏食
精神面 精神疲労 ストレス
肉体面 肉体疲労 運動不足
その他

セックスの過剰先天不足、老化 外傷(打撲)

〔虚証〕
これに対して、抵抗力を消耗させる要因によって正気が不足してしまった人は、一般の人が邪気とは感じない程弱い傷害素因にも反応して、発病してしまいます。これを虚証と言います。
〔治療と予防〕このタイプには正気の回復をはかる治療を行うほか、疲労の回避したり正気を回復するための養生を行って予防をはかる必要があります。〔予防医学としての吉宮気功体操〕
吉宮気功体操協會では、気功を鍛錬するほか、食養生などを学ぶ機会が設けられていて、中医学の面から考えても素晴らしい予防医学を学び実践できると考えられます。
その点を表2の発病要因および実証と虚証の予防をもとに説明してみます(表3参照)。気功には、動功と静功があります。動功は身体を動かしながら行う鍛錬法であって、気を調節してその滞り(とどこおり)を改善したり気の運搬力を推進することができます。これに対して静功は身体を停止しながら行う鍛錬法であって、気を養って正気を補充することができます。

  <表3>


[実証の予防]
実証の要因の中では、ストレスや環境変化による邪気および運動不足は、身体中に気の滞りを起こします。これに対して動功を行うと、直接滞りを解除したり予防することができます。つぎに飲酒や冷たいものの過食は水液の滞りを起こし、打撲などの外傷は血液の滞りを起こします。こちらに対しても、動功を行って気の運搬力を推進すると、二次的に気が血液や水液の流れを促進するため、予防することができます。もちろん食養生や季節の変化による人体への影響などを学んで、食事に注意したり衣服や住居に気を配ることによって、新たな病邪を受け入れないようにすることも重要です。

[虚証の予防]
虚証の要因はどれも正気を消耗します。これに対して静功により気を養うと、正気の回復を促すことができます。また食養生を学ぶことによって、不足している正気に適応した栄養補充をすることができるようになります。

いかがでしょうか。皆さんもこの會に参加して、どの予防法がどういったタイプの人に有効かを学びながら、予防法を体得してみませんか。きっと自分にあった方法を身に付けることができることでしょう。